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2006年6月26日月曜日

UML中級講座 第56回 構造化特性アクション

日本とアメリカで企業文化が異なるのは周知の事実ですが、日本でも会社によって随分と文化が違うのと同じように、アメリカでも会社によってかなり異なります。
有名な例としては、東海岸(ボストンやニューヨークがある方)と西海岸(ロスアンジェルスやシリコンバレーがある方)の文化的違いです。
筆者は両方の企業での勤務経験があるのですが、これからお話します事は非常に印象的な光景として脳裏に残っています。

今から十数年前、シリコンバレーのベンチャー企業に勤めていた折、その会社の経営幹部のX氏(その当時55歳ぐらいでした)が、エンジニア達と雑談していた時に、話題が、X氏が昔立ち上げた企業の話になりました。
その企業は、比較的順調に成長して最終的にIBMに買収されることになり、X氏はIBM社にVP(バイスプレジデント)として迎えられる事になりました。
X氏がIBMのVPになると言う話を聞いて、当時存命中であった彼のご母堂はたいへん喜んだそうです(IBMは、その頃、東部エスタブリシュメントを代表する企業でした)。
さて、X氏が、IBM本社で開催される経営会議に初めて参加した時の事です。
彼は、張り切って、会議室に一番乗りで向かい、他のメンバーが来るのを待っていました。
ちなみ、X氏は特異な風貌をしており、靴下は真っ赤で、大柄のジャケットを着け、ネクタイはいつもミッキーマウス柄のものが好みで、一見するとサーカスのピエロのようなフレンドリーな印象を与えます。
この日は、彼はいつもよりもさらに(彼の流儀で)粧し込んで会議に臨んだそうです。
ところが、ダークスーツ姿の他のVP達は、入室するやX氏を見ると驚いたように目を背け、誰も彼には声を掛けず、まるでX氏がその場に居ないかのような態度を取ったそうです。
ここまでの話は、筆者にとってもさほど驚く話ではなかったのですが、驚いたのは、むしろこの話を聞いていたエンジニア達の反応です。
X氏が、「VP達が全員席につき、CEOがお付の人間を従えて厳かに入場してきた。そして、CEOが議長席に着き、おもむろに話を始めると、驚いたことに、全員がノートを取り出し、いっせいにメモを取り始めたんだ。」と言うと、聞いていたエンジニア達は大爆笑し、中には机を叩いて苦しそうに身もだえするほど笑っている人もいました。

次にお話する話も、90年代初頭の昔話です。

東部と西部で企業文化が変わると言いましたが、西部地域の同じシリコンバレーであっても、企業文化はまちまちです。
最も東部的だと言われたのは、CPUを作っているインテル社です。
今は知りませんが、当時はインテル社のマネージャは(驚いたことに)いつもネクタイをしていると言うことで有名でした。
一般的に言って、大きな工場を持つハードウエア中心の会社の経営者やマネージャ達は、俺は金を持っているんだと言わんばかりのキンキラの格好をしていないと社員になめられると言われています。
フォーマルさを基準として数直線を引くと、最も厳格なのがインテル社になり、シスコ・システムズあたりがその真ん中の中点辺りに位置し、ソフトウエア中心の企業になればなるほど、カジュアルな会社になって行き、アップル社はかなりくだけた部類に属しました。
そして、その当時最もくだけた会社として最右翼にランクされた会社がタンデム社であり、くだけた事で有名なカリフォルニア人たちをして、「もはや、会社の体をなしてない」と言わしめたほどでした。
タンデム社は、その後、他社に買収されて行きました。

5-5 構造化特性アクション

図 11−07



UML1.Xでは、オブジェクトは単純な構造でしたので、属性を読み取ったり(ReadAttributeAction)、書き込んだり(WriteAttributeAction)という簡単なアクションで済んでいたのですが、UML2.Xで構造化分類子が登場し、単に属性の読み書きでは不十分になった結果、この構造化特性アクションが導入されました。
基本的には、対象のオブジェクトにたいし、その構造的特性を読み書きするためのアクションですが、具体的には、ReadStructualFeatureAction、WriteStructualFeatureAction、ClearStructualFeatureActionの3つのサブクラスが意味を与えています。