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2011年3月22日火曜日

日本型パターン その1

1週間前、東北地方は未曾有の大震災に襲われ、多くの人命が失われました。そして今なお危険な状態に置かれた人々も膨大な数にのぼっています。
改めて、亡くなられた方々のご冥福を御祈念し、ご不便な生活を強いられている方々にお見舞い申し上げます。

本日のブログは、あえて地震の話題を避け、久しぶりにプロマネ関係のお話をしたいと思います。
この話は、去る1月の「BPM/SOA/クラウドフォーラム」でもちょっと触れたましたが、一つの事象が2つの異なる見え方に見える、いわば日本映画の傑作「羅生門」の様なエピソードです。

筆者の会社はフランス系北米のPM関係のコンサルティング会社と提携しており、過去の数字的にはプロマネ関係の仕事の方がむしろ本業と言えます。
昨年、日本郵便のサービス統合で大きなトラブルに見舞われ事は皆さんの記憶にも新しいと思いますが、過去、銀行のシステム統合プロジェクト関連のトラブルや、ITプロジェクトの破綻などが、よく我々の職場でも話題になります。
また、多くのプロジェクトが失敗に至る過程が、いくつかのパターンに分類される事に着目してきました。
そして先に揚げた日本のプロジェクトの大規模なトラブルの例に、共通のパターンがある事がある事がよく話題にのぼります。

そのパターンというのは、これらのプロジェクトは共通して、細かい項目はかなり精査され綿密に計画されるのに対し、それらの上位項目である中項目や大項目が決定されないままであり、従って詳細項目も暫定的なものにならざるを得ず、その上位項目の決定がどんどん遅れていき、最後に破綻に至るパターンです。
このパターンは、むしろ日本固有と言って良いと思います。
これは、このパターンが日本でしか見られないと言う意味ではなく、このパターンが分野を問わず日本の組織に広く遍在し、かつ省みられることなく何度も繰り返される、と言う意味で日本固有です。

欧米人と日本人で異なる見え方

このパターンに対し欧米人と日本人では異なる見解を示します。
欧米人のコンサルタント達は、これは能力の問題というとらえ方をします。
彼らの目には、日本の組織は、ポジションが上がるにつれ、そのポジションに就く人間のマネジメント能力が劣って行く様に映ります。
つまり、ポジションが上がるにつれ、そのポジションに要求される決断力やリーダーシップ、場合によっては政治力が欠落して行く様に見えます。
現場で求められる能力と、上位のポジションで求められる能力は、明らかに異なる訳ですが、日本の組織は往々にして、後者の能力がポジションが上がれば上がるほど欠落していくように彼らには映るらしいのです。
また逆に、外国人コンサルト達は、異口同音に、現場レベルの人間達の優秀さに驚くと言います。
破綻したプロジェクトの中で、現場レベルの人々が何とか問題を収拾しながら、曲がりなりにも解決して行く能力は驚嘆に値すると言います。

一方、日本人のコンサルタントには、このパターンは、能力の問題とは映らず、むしろ組織に戦略眼、戦略の視点が欠けている事に問題を感じます。
また、能力に関しては、欧米に比べ、組織全体がかなり均質的である様に感じる傾向があります。

(続く)