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2011年1月11日火曜日

BPM 講座 第2回 プレBPM時代の俯瞰 (1)

先日、上京してきた友人と一緒に三鷹のジブリ美術館に行ってきました。
ジブリの映画は、何作か見た事があるのですがこの美術館は初めてです。
個人的にはこのようなテーマパークは大好きで、以前OMGのテクニカル・ミーティングがカリフォルニアのアナハイムで開催された時は、1週間ほどディズニーランド・ホテルに泊まり、毎夜ディズニーランドへ入り浸っていました
このような性向はどうも家系的なもののようで、筆者の弟などは昔、大学四年間、千葉のディズニーランドでバイトしていて、大学よりもディズニーランドの中にいた時間の方が長かったそうですが(たしか下宿もディズニーランドに近い浦安でした)、卒業後もディズニーランドのスポンサーの一つであった企業に就職しています。
 
ジブリ美術館2
BPM 講座 第2回 プレBPM時代の俯瞰 (1)

前回、90年代にBPMと言う言葉が登場してきて以降、BPMそのものがここ十年で大きく変わって来たと言うお話しをいたしました。

本講座で、現代のBPMについて述べる前に、それ以前のプロセス・マネジメントを概観しておく事はBPMを理解する上で非常に役立つと思いますので、90年以前のプロセス・マネジメントをプレBPM時代と名付けて概略を俯瞰したいと思います。

プレBPMの項目自身が興味深い話題ですが、深入りすると本題のBPMの話題に永遠にたどり着かない恐れがありますので、大雑把に手短にカバーして行きたいと思います。

フォード・モーターの登場
 産業革命以降、企業家たちは製造業のプロセスの改良に躍起になって取り組んできましたが、自動車王ヘンリー・フォードが、1903年に作り上げた革新的な生産方式ほど、その後の産業界に与えた影響の大きなものは無かったでしょう。
一言で言うと少品種大量生産で、フォード社は1927年まで、T型フォードと言う車種、一種類だけを生産し続け、アメリカ市場の半分はこのT型フォードだけで占められるまでになりました。
 T型フォード社の登場の直後、同じくアメリカ人のフレデリック・W・テイラー氏は「Principles of Scientific Management(直訳すると科学的経営の原理)」と言う書を著し、経営者がプロセスの改善を行なう上で役立つ幾つかの概念を提唱しました。
この本は、国際的にベストセラーになり、今でも経営学の古典的な教科書として読み続けられています(ネットでちょっと調べたのですが、残念ながら今現在、邦訳は出版されてないようです。)。
テイラー氏は、著書の中で、タスクの実行や制御を最適化する上で、『単純化』、『時間の分析』、『システム的な実験』の重要性を唱えています。
この波は自動車産業のみならず、無線通信機(ラジオ)、電話、テレビ等の製造業、そして第二次大戦後はコンピュータ産業にも大きな影響を与えています。
そして、現在のBPMの指導原理でもある「システム・シンキング」や「バリュー・チェーン」の考え方は、この著書に始まったとも言えるでしょう。