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2006年4月11日火曜日

UML中級講座 第8回 インスタンスの概念

前回に引き続いて、インスタンスについて議論して行きましょう。インスタンスは、メタモデルの中心的な概念で、体系の骨格をなすものです。

インスタンス

このインスタンスの概念は、非常に便利な概念で、様々な形で利用されます。

関連とリンク

「高校生」クラスと「大学」クラスの間の「受験する」という関連(Association)を考えて見ましょう。
「高校生」クラスに属する個々のオブジェクトは、それぞれ自分の志願校を受験します。
例えば、「橋本さん」は「東京大学」を受験、「小沢さん」は「慶応大学」を受験すると想定します。
この、「橋本さん」ー「東京大学」、「小沢さん」ー「慶応大学」と言った個々の具体的なオブジェクト間の関係をリンクと呼びます。
そうしますと、「高校生」クラスと「大学生」クラスの関係である関連とは、個々のオブジェクト間の関係であるリンクの集まりと見なすことが出来ます。
別の言い方をすると、リンクは関連のインスタンスと呼ぶことになります。

分類子

型の性質を持つもの(つまりインスタンスを持つと言う性質を持つもの)を総称して、UMLでは分類子(Classifier)と呼んでいます。UMLを定義する上で、この分類子は極めて重要な働きをします。モデル図に登場する要素の大部分が分類子に属します。(参考図参照)




表記法の観点からも、分類子の概念は重要です。
クラス図等でクラスを表すときに用いられる四角形は、本来的には分類子を表象しています。
そして、どの分類子であるかを示すために、<<Interface>>や<<actor>>、<<class>>などのステレオタイプを使って区別しますが、<<class>>と言うステレオタイプのみが省略可能です。
従って結果として、クラス図で特に何も規定していない四角形はクラスであることを意味することになります。