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2006年4月25日火曜日

UML中級講座 第19回 プロパティ

3ー1ー3 プロパティ

プロパティは包含する側の分類子のインスタンスに所有されるインスタンスの集まりを意味し、具体的にはパートとポートが該当します。
親の分類子がインスタンス化された時には、そのプロパティに対応するインスタンスが、(即時的もしくは時間をおいて)生成されます。
これらのインスタンスは、プロパティのタイプに指定されている分類子のインスタンスです。(図F11はパートの表記法であり、このパートのインスタンスは、クラスのインスタンス(オブジェクト)となります)

図F11

パートでの表現は、親の分類子が子のプロパティをコンポジットで所有することを意味し、親のインスタンスが消滅すると、子のインスタンスも消滅します。
図F10 (i)では、車クラスが役割名が「後輪」である車輪クラスをコンポジットで所有し、エンジンクラスと役割名eで関連を結んでいます。
(ii)では、同じ状態が表されていますが、注意すべき点は、「後」および「e」は、(ii)図では、ともに車クラスの内部構造に属しており、単に車輪クラスとエンジンクラスを一般的に所有しているのではなく、「後」および「e」の役割の中で所有されていることです。
つまり、(i)図では、任意の車輪クラスとエンジンクラスが車クラスと関連を持つことが出来ますが、(ii)図では、「後輪」と「e」の役割を持つ車輪クラスのインスタンスとエンジンクラスのインスタンスが、車クラスの同一のインスタンスにリンクしていることを意味します。
パートは、長方形の中に(不特定の)クラス名を記述して表現しますが、図F11のように、パート名の後のコロン:の後にタイプとしてクラス名を指定して表現することも可能です。
また、コンポジット所有でないパートは、長方形を実線ではなく点線で表記します。

図F10