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2011年1月9日日曜日

BPM 講座 第1回 BPMの意味付けの変遷

いよいよ花粉症の季節がやって参りました。
筆者の自宅でも、空気清浄機を稼働させ初めています。
かつて、毎年1台の割で空気清浄機を買い求めた結果、部屋数を超える台数になってしまい、フル稼働させると工場の中にいるような騒音に悩まされた事もありましたが、だんだん量より質重視に変わってきた結果、比較的静穏な日々を過ごせるようになってきました。
何が良いかは体質等によって違うと思いますが、筆者が様々な試行錯誤の末たどり着いた機器は、『Blueair』と言う北欧製のものと、『Venta』というドイツ製の機械を 組み合わせて使っております。
ともにヨーロッパ製ですが、結果的にそうなっただけで、体質的に合うみたいだと言う感覚的な理由以外に何の論理的な説明も出来ません。
空気清浄機

BPM講座 第1回 BPMの位置づけの変遷

年も改まり新企画としてBPM講座を細々と始めたいと思います。
筆者はOMGの試験委員をここ何年かやっており、OMGとBPMI(ビジネス・プロセス・マネジメント・イニシアティブ)の合併も目の当たりにし、またOCEBの試験作成にも関わってきました。
と言う事でOCEBの受験にも役立ち、かつ一般のBPMの学習にも役立つような情報を提供して行きたいと思います。

BPMの萌芽
BPMがいつ始まったかはBPMをどう定義するかに大きく依存しますが、業務プロセスの流れをフローチャートの様に図示して表現する事はかなり昔から行なわれていました。
筆者は日本のある会社で30年以上前に全社的に行なったと言う膨大な量の業務フローの流れ図を見せてもらった事があります。
しかしIT化を前提としてBPMと言う言葉が盛んに使われ始めたのは90年代後半あたりでしょう。(初期はワークフロー・マネジメントと言う言葉とほぼ同義語で使われたりしました。)
その当時のBPMの目的は品質改善、コスト削減などが主流でした。
それまでのメインフレーム系システムからイントラネット系システムへ移行する際、BPMを用いてシステム設計すると言う事がよく行なわれました。

さて今日、品質改善、コスト削減は今でもBPMの主要な目的の一部ですが、けっしてそれだけではなく、もっと戦略的な意味合いが深くなって来ました。


組織変革、戦略展開、戦略の実装のため、あるいは組織文化の変革のためにBPMを用いると言う事が昨今のBPMの主要なテーマになって来ています。

この変化はいったい何を意味するのでしょうか?

2011年1月3日月曜日

謹賀新年

明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
2011年元旦


昨年を振り返ってみまして、このブログ的に一番意外だった事は、「海老蔵ビル」の写真を載せた投稿へのアクセスが、12月月間トップだった事です。

やはり、時事の話題の注目度の高さでしょうか。

このブログの注目度を上げるために時事を扱おうと思い、知り合いに「昨今、一番のニュースは何か?」と聞くと「麻木久仁子不倫騒動」だそうですが、残念な事に、こう言う話題は筆者の最も不得意とする分野で、あまり書こうとする気になれません。
 今から20年以上前、筆者が勤めていた会社は、社内不倫が非常に多いところでした。当時は、社長を始めとして、不倫を奨励しているんじゃないかと思うほどの盛況ぶりでしたので、この手の話題は正直うんざりと言う気分が先に立ってしまいます。
本年1月は、筆者がエバンジェリストを勤めておりますOMGとIPAの共催イベントが始めて開催されます(SysMLセミナー)。
また、BPM/SOA/クラウド フォーラムの後援もIPAに行なって頂く事になりました。
ひとえに、日本の産業界でモデル・ベース開発に関する興味が高まって来た事の表れだと思います。

前回のブログでも書きましたが、IPAで行なったアンケート結果を見ますと、モデリングに対して実用性と言う面で不満を抱く層が多いようです。
 種々の要因があると思いますが、SysMLやBPMは、概念から実装までをモデリングする為に開発された言語です。
今年がモデリング実用化元年となる事を祈年して、ペンを置きます


2010年12月24日金曜日

SysML 中級講座: 第7回 日本のモデリング事情

日本のIT業界が、他国と異質な面が有る事は有名ですが、モデリング事情も少し異なっています。
今回は、その点を数字で示してみたいと思います。

筆者はここ数年OMGの試験委員をやっている関係で、OMG関連の開発ツールを作っている会社の人と話す機会がありますが、日本のモデリング事情と照らし合わせてみて、時々違和感を感じる事があります。

下の図は、UML系モデリング・ツール(SysMLやSoaMLなどの派生系を含みます)の地域別の市場規模の推計値です。
これらの数字は、ツール・ベンダーから聞いた数字や公表資料をもとに筆者自身が推計したものであり、OMGが発表しているものでは無い事をあらかじめお断りしておきます(従って出典を弊社名としております)。
とは言え、各ベンダーの示す数字は概ね同じような傾向を示していますので、大きな誤差は無いと思います。
2010年 出典 ストラタジーナム社
ここで言うUML系ツールとは、SoaMLやSysMLのツールを含みますが、BPM系のツールは含みません。
主要ベンダーのツールは、SoaMLやSysMLがUMLと連動するよう作ってあります。
また、実際問題として、SoaMLやSysMLの市場は出来たばっかりで、市場規模はUMLに比べると小さく、この図をUMLツールの市場 シェアと見ても、大差ないと思われます。
北米が50%を占めていますが、そのうち大半がUS(合衆国)です。
欧州市場は40%を占めていますが、その40%のうちの7割ぐらい(全体比で30%程度)は英独仏の3カ国で占められています。
そして、残りの10%は、日本を含むその他すべての国を意味します。
この図で、日本のモデリング市場の特徴を見る事が出来ます。
一般のソフトウェア市場で見た場合、日本の市場規模はアメリカに次いで2番目に大きく、国別ではヨーロッパのどの国よりも大きいのが通例です。
しかしながら、モデリング・ツールの市場で見た場合、アジア市場は非常に小さく、また日本は、そのアジア市場でも必ずしも多数派ではなく、インドやオーストラリアなどと横並び状態です。
日本は決してソフトウェア投資、IT投資をしてない訳ではなく、GDP比で見ても、投資額で見ても、先進国の中では中の上くらいに位置しますが、 モデリング・ツールをあまり使わないと言う点で、相対的に異質です。
 欧米の専門家は、ツールを用いないモデリングは実用性に欠けると考える人が圧倒的であり、筆者自身の経験から言っても、欧米で、ツールを使わないでモデル・ベース開発を行なっている現場を見た事がありません。
また、このポイントは、IPAのモデリング部会(筆者もOMG代表として出ております)の日本企業に対するアンケート結果に示される「モデリングの実用性に不満を持つ層が多い」と言う事実と符合します。
日本は、モデリングそのものに関する知見は高いものの、実用のための知見に乏しいと言っても良いのではないか、と言うのが率直な感想です。
もちろんツールだけ知ってても何も出来ませんが、逆にUMLやSysMLだけ知ってても実用的でない、と言えます。
システム・エンジニアリング分野が、日本のITと同じ轍を踏まないためにも、ツールは無視出来ない存在です。

OMG イベントのお知らせ

筆者が関係する団体であるOMGが、来年1月20、21日と東京地区でイベント(フォーラム)を開催する事になりましたので、ご案内いたします。

SysMLセミナー
主催: IPA        共催 : OMG
日時:1月20日 14:00〜17:30  
場所:IPA クラスルーム
申込先 :   http://sec.ipa.go.jp/seminar/2011/20110120_pre.html

BPM/SOA/クラウド フォーラム
主催: OMG     企画運営: UTI    後援: IPA、東海大学
日時: 1月21日 13:00〜17:00
場所: 東海大学高輪キャンパス
申込先: http://www.umlcert.org/news/20110121.html


OMG会長のリチャード・ソーリー博士とOMGボードメンバーであるギャリー・ダンカンソンさんの来日が決まり、現在準備中です。
ソーリー博士は、OMGの顔として昔から何回か来日していますので、皆様ご存知の方も多いと思いますが、IPAとの共催イベントは今回が初めてです。

 ギャリー・ダンカンソンさんは、USのNo Magic社の社長さんです。
彼の会社のMagicDrawと言うソフトウェアは北米やヨーロッパでは有名ですが、日本では殆ど無名です。
テクニカル・ミーティングで会うたびに、日本でも本格的にやったらどうか?と勧めてきたのですが、筆者の言葉に促されたのか、あるいは無関係なのか分かりませんが、今回来日する事になりました。
筆者は、モデル・ベース指向開発の浸透にはツールの使用は必要不可欠と考えておりますので、日本のモデル・ベース開発のいい意味での起爆剤になれば、と期待しております。

2010年12月15日水曜日

西麻布から

筆者は、 日頃テレビをあまり見ないので芸能ニュースにはとんと疎いのですが、事件の現場が知人の自宅の近所だったので見学に行ってきました。
過日、麻布に住む知人のオフィス兼自宅に行った際、歌舞伎役者の市川海老蔵氏が巻き込まれた傷害事件のあったビルがその近所にあると聞いて、帰り道に立ち寄って来ました。

バルビゾン27(海老蔵ビル)
左のビルが通称「海老蔵ビル」と呼ばれるバルビゾン27 ビルです。
筆者がビルの前に立っていたのは10分程度でしたが、その間、3組のグループが同じように記念写真を撮っていて、今や麻布の新名所の観があります。
また写真を撮っていたのは、筆者をのぞくと全員ご婦人で、中には祖母、母、娘の三世代合同の7〜8人の女性ばかりの大家族づれと言う集団もあり(ちなみに、このご家族の記念写真のシャッターを押したのは、筆者です)、海老蔵氏の人気の高さがうかがわれます。
明るいエントランス(バルビゾン27)

2010年11月30日火曜日

東京で奈良時代を

紅葉のシーズンです。
筆者も紅葉を見に行ってきました。
学生時代、筆者は三鷹とか武蔵野に住んでいた事があったのですが、その頃の散歩コースであった深大寺に久しぶりに行ってきました。たしか、学校を卒業して以来初めての訪問になるかと思いますが、調布の町並みはやはり変わっていました。


深大寺は東京では浅草寺に次いで2番目に古いお寺で、天平五年(奈良時代、聖武天皇の頃)創建 と伝えられています。
境内を、タモリ倶楽部で有名になった国分寺崖線が横切り、武蔵野台地からの湧き水が豊富で蕎麦の名所としても名高い所です。
また、白鳳時代の作では無いかと言われる釈迦如来倚像(いぞう)が明治時代にお堂の壇の下から見つかりましたが、いかなる経緯で武蔵野まで運ばれ、また、なぜ、1000年以上も隠されていたのか、謎のままです。

このあたりは、調布という名前に象徴される様に奈良時代から開けた場所であり、
東京では数少ない白鳳ー天平の雰囲気を味わえる場所です。
と言うわけで、筆者も和歌を一句:

秋の夕 
紅(くれない)猛(たけ)き
白鳳の
ほとけの笑みも 
ほのかに朱(あか)し

2010年11月12日金曜日

SysMLフォーラム準備中

久しくSysMLの話題から遠ざかっていましたが、別にSysMLに関心が無くなったわけではなく、逆にSysML三昧の日々をおくってたので、ブログでわざわざ触れる気になれなかったと言うのが実情です。

まず、OCSMP(OMG認定システム・モデリング・プロフェッショナル)の試験がいよいよ始まり、弊社でもモデルユーザーのトレーニング・クラスを始めました。

また、ある研究会にOMG代表として参加して欲しい旨の依頼があった件も、SysMLがらみと言えます。

この夏に慶應義塾大学で開催されたSysMLフォーラムの後続である第3回目SysMLフォーラムを鋭意準備中で、近々発表を行う予定です。

と言うわけで、SysMLがらみの案件が多く、ブログ上で現実逃避を計っています。

逃避中