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2010年6月9日水曜日

アーキテクチャー:メタモデルのすすめ ⑤

以前OMGはアーキテクトの集まりだと書きましたが、もう少し正確に言うと、昔からそうだったわけではなく、また全員が必ずしもアーキテクトと言うわけで はありません。

OMGはもともとはCORBAに代表される分散処理技術者の集まりでした。人的、歴史的には、80年代に流行った人工知能 (AI)をやってた人が流れて来たパターンが多いようです。
では、いつ頃からアーキテクトが集まりだしたかというと、90年代の半ばにUMLの標 準化が始まりだした頃からです。
その頃から上流工程に従事するエンジニアがモデリングに興味を示し始め、アーキテクトの割合が増加してきました。
2000 年前後になるとITソフトウェアだけではなく、ハードウェア設計にもUMLを使う動きが顕著になってきて(ハードウェア設計と言っても上流設計、概念設計 です。念のため)、UMLバージョン1のソフトウェア中心の表記法では用が足らず、より論理的な構造を持つモデリング言語(メタ言語構造を持つ言語)とし てUML2.0が誕生しました。
2001年には、INCOSE(International Council of Systems Engineering:直訳すると国際システム工学学会ぐらいか?)と共同で現在のSysMLのひな形を作る作業が開始されました。
ちなみに SysMLは、UMLの自己拡張機能、プロファイリング機能を用いて作られていますので、厳密に言うとUMLの一種です。
また、話がそれますが (ブログなので流れのまま書いてます)、現在、プロファイリング以外の言語拡張の手法が検討され始めており、今後違った動きも見られると思いますが、恐ら くここ10年はプロファイリング中心のやり方になるでしょう。(SysMLのひな形誕生から普及まで(つまりツール・ベンダーによってツール化されるま で)に7〜8年かかっていますので。)
2000年ぐらいには上流側の分科会(プラットフォームに対してドメイン側で、ファイナンス・タスクフォー ス等のように産業別に作られ始めました)が徐々に活発になり、BPMI(ビジネス・プロセス・マネジメント・イニシアティブ)との合併はドメイン側へのシ フトを決定づけました。
また世の中のお金の流れもプラットフォームからドメイン側に代わり、IT産業の主役もプラットフォームを作っているメー カーから、先進的な利用を行っているユーザー側にシフトし始めます。
そして、従来のアーキテクト中心のメンバー構成にビジネス・アナリストの集団 が融合し始めます。
ビジネス・アナリストの参入はOMGにとって業務構造へのより深い興味をかき立てました。
また、ビジネス・アナリスト は当初UMLに抵抗示す人もいたのですが、急速にモデリングの有用性に興味を示し始めました。

また余談ですが、ビジネス・アナリストの中 には、当初、BPMはBPMNを用いて書かれた業務フローをBPELを通してWebアプリケーション化すれば、それでOKだと言う(楽観的な)人もいたの ですが、融合の結果、それでは済まない問題が膨大にある事が、アーキテクト側もビジネス・アナリスト側にも共通の認識として拡がってきました。
恐 らく、基幹業務系はBPM/SOAが、そしてエンド・ユーザー系にはWeb技術に代表される廉価で高速なクイック・ソリューションがクラウド市場の中心を 占めていくと思います。