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2010年5月20日木曜日

アーキテクチャー:メタモデルのすすめ ④

要件分析・概念設計の日本固有の現象

創造性の軽視

前回は上流設計の重要性を書きましたが、仕事柄、筆者は開発プロジェクトに関与する事が度々ありますが、最近はつくづく、 その違いを考えさせられます。
最近は日本でもUMLの使用率がかなり上がって来ていますが、大半が実装設計以降での下流工程での使用が中心的で す。

最近はオフショア開発の条件として要件仕様をUMLで書く事が条件になるケースも多いのですが、現地のエンジニアからは、日本の UMLは要件を本当に分析したのか?とか、分析した形跡がまったく見あたらない、と言う意見を聞きます。
「要件仕様をUMLで書いてくれ」と言う リクエストは、国際的には「要件をオブジェクト指向分析設計してくれ」とほぼ同義語ですが、日本人は文字通り、単に表記法としてUMLで書く、と言う意味 で捉えられてる形跡があります。

巷間、日本の携帯電話がなぜ海外で売れないかが一時話題になりましたが、多くの人は、実装技術ではなく要 件分析等の上流工程の品質の問題を指摘していました。
本来、要件設計や概念設計は製品やサービスの価値を決める最もクリエイティブなフェーズであ り、モデリング技術も本来そのために発展して来たものですが、全体に日本のエンジニアは実装設計には熱心ですが、上流工程にモデリングを持ち込む事が苦手 なようです。

アーキテクチャーも同様な傾向が見られ、上流工程のアーキテクチャーよりも実装のアーキテクチャーにのみ関心が集中する傾向 があります。