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2006年11月8日水曜日

UML中級講座 第100回 選択(チョイス)疑似状態

先月の終わり頃に、携帯電話の番号ポータビリティがスタートし、携帯電話の話が職場でも盛んに行われるようになりました。
筆者も、以前電話会社に勤務していた事もあり、今でも電話には関心が高い方です。
しかしながら、筆者のまわりは、携帯電話に無頓着な人が多く、中には自分が使っている電話会社が分からないと言う人までいます。
何でも、昔、祭りの縁日か何かで携帯電話を只で貰い、その後、電話会社の名前がころころ変わって行って、覚えられなくなってしまったそうです。
どのキャリアを選ぶかは、極めて個人的な好みや条件の問題であり、たとえ世間的に評判が良くても、自宅など自分が使いたいと思った所で使えなければ無価値です。
筆者の場合は、繋がりやすさはもちろんの事、比較的、音声の品質や遅延の小ささにも拘る方ですが、元電話会社社員として、決してカタログや仕様は鵜呑みにせず、実地に比較しないと気が済まない方です。

以前は、普通の携帯電話とPHSを両方使っていたのですが、最近はPHSしか使わなくなりました。
これは、筆者のオフィスや自宅が、電波の混み合う都心に近いせいであり、PHSが比較的電波の混雑に強い特性を持つ結果だと思います。
また、ワイヤレス電話機を出発点として簡易電話としてスタートしたPHSが、様々な悪条件を技術的に克服して行き、以前は移動体上では殆ど使えなかったものが、今では十分に実用に耐えるようになり、また、電波の密集する地域での技術的チャレンジを克服して行く姿は、まるで「プロジェクトX」のノンフィクション版を見るようで、思わず応援したくなります。
事実、特定の方向にしか電波を送らない方式など、広い地域に渡って強い電波を発して周波数帯を占領してしまう一般の携帯電話に比べ、日本の国土事情に合ったテクノロジーだと思います。
と、書いて行くうちに思わずPHSをべた褒めしてしまいましたが、先に書きましたように、携帯電話の選択は、個人的な好みと条件の問題ですので、ここに書いた事は、あくまで参考意見程度に。

選択(チョイス)疑似状態

選択疑似状態は、出力側のガード条件を動的に評価し次の状態が決定されます。
これは、動的条件分岐と呼ばれ、第98回で触れたジャンクションとは、異なった振舞いをします。
選択(チョイス)疑似状態では、出力側の複数のガード条件が満たされた場合には、次にどのパスをたどるのかは非決定的であるのに対し、ジャンクションでは、条件が満たされる全てのパスが有効になり、複数の状態へ遷移します。
また、選択(チョイス)では、出力側の全てのガード条件が満たされない場面は許されず、必ず一つは条件が満たされる必要があります。(そのために、elseと言うキーワードを使用する事が可能です。)
図D22は、選択疑似状態の表記例です。
右側が、通常の表記方法ですが、この例のようにガード条件のオペランドが共通の場合は、左図の様に、共通するオペランド(この例では Id )を、選択疑似状態シンボルの中に記入し、ガード条件でオペランドの記載を省略する書き方も許されます。



図D23