昨日はバブルの頃の話を書きましたが、それで思い出した事があります。
知人のF氏から聞いた話ですが、F氏の親戚で、東京都港区に住んでいた一家のおとぎ話の物語です。
その家族の家は、住所だけ聞くと全国的に超有名な高級住宅地にありましたが、実態は、表通りから一歩入った崖下の日の当らない場所であり、湧き水のせいで真夏の日照りが続く日でも地面が濡れているような状態だったそうです。
土地の形も変則的で、細長く曲がった狭い家しか建てられず(1階部分が変形6畳、2階が3畳半程度)、また湿気のせいで家の柱の下の部分が腐りかけ、F氏曰く「親戚でさえ近寄りたくない家」だったそうです。
また、どうもその辺りは昔は墓地かなんかだったらしく、近所の道普請の際に人骨がたくさん出てきた、という話も伝わり、家の住人も何となく陰気な雰囲気があったそうです。
というわけで、その当時、日本中を闊歩していた地上げ屋も、さすがに、ここだけは近寄らない、というような場所でしたが、バブルも末期のある日、2人の紳士が、土地を売って欲しいと、この一家を訪ねて来ました。
何でも、崖上の表通りに面した酒屋が土地を売る事に決めたらしく、その裏手にあった土地も、表通りと同じ相場でまとめて買い上げてマンションを建てたいという話でした。
一家は、もともと気に入って住んでいた訳ではないので、すぐに売る事に決めたそうです。(当時売り渋っている間に、バブルが弾けてしまったという話が山ほどありましたので、極めて幸運で賢明な決定でした。)
結果的に言うとベストのタイミングで売り抜けたことになり、間もなく、バブルが弾け、それまでは、どんな土地でも高値がついていたのに、条件が悪い土地から順に大暴落が始まっていったそうです。
この一家は、その後、堅実に商売を続け、今では豪邸に住んでいて、F氏曰く、「親戚中で一番貧乏だった家が、まるで憑き物が落ちたように明るくなり、一番の金持ちになった、」のだそうです。
My Fair Lady...
ソフトウェア工学 傾向と対策 その2
前回に引き続き、「組込みシステムのためのソフトウェアエンジニアリング 中級編」(現在はまだ未刊)の内容に従って解説して行きます。
まず、第6章のリアルタイムOSの実際的側面ですが、上の図中の赤インクで示されているようにOCRES中級の出題範囲とされていますが、現実には出題傾向が、第5章とかぶり、OCRES中級だけであれば、【基礎編」の内容の理解で十分でしょう。(ページ数で見ても、第5章の方が6章の3倍近くあり、内容的に5章の方が本質的な問題を議論しており、問題が作り易い。)
第7章、第8章、第10章は、分析や設計の方法論の分野ですので、OCRESは試験対象としていません。
方法論に関しては、座学ではなく、事例研究や演習で、実際に手を動かして学習すべきである、というのがOCRESのスタンスです。
この分野は、知っているという事だけでは全く意味をなさず、実際に手が動く事が重要です。
「傾向と対策シリーズ」の最後に、本書で紹介されている方法論に則った演習コースの例を提示して、勉強法を解説したいと思います。
第9章はコーディングにまつわる問題を議論していますが、これはOCRES上級編の試験対象に指定されています。
9.2 のコーディングやパッケージングの問題は、実装上、分析や設計と同等以上に重要な問題です。
また、9.3-9.4で議論されるコンピュータ言語は、設計者やアーキテクトが必ず身に付けておかねばならない知識分野です。